「人として、ダメなところ。状況判断できずに、突っ走るところ。学生のときから、何度も指摘したけど」
「そ、そう?」
「ほら、全然耳に入ってない。あんたはさ、自分に都合の良い言葉しか聞こうとしないの。その割に自分を客観視できないから悪い方にばかり行く」
「偉そうなこと言ってるけど、ユリもあんまり変わらない気が…」
サトシが小声で言った。
「聞こえてるけど?」
ユリが声を低めて言った。
「あ、ごめん。もう言いません」
「ま、それはいいとして、ユキヒロさんがあたしに連絡をくれたのよ。二ケ月ほど前に、ね」
あたしは旦那を見た。
旦那は、先生に怒られ、委縮してうつむいている生徒のようだった。
「で、あたしが計画を練って、あんたが言い逃れできないように証拠を固めたってわけ」
「そんなことって…」
「もちろん、あんたを懲らしめるためよ」
「あ~あ、言っちまったよ」
サトシがぼやくように言った。
「あたしは許せなかったわけ。人の良いユキヒロさんに甘えて、あんたが家でぐうたらして、それでわがまま放題言ってるのを聞いて」
「でも…」
「そうよ。人様の家庭のことだから、他人のあたしが口出す権利はない。だけどね、助けを求められたら話は別よ」
「ま、それに乗っかったのは、ユリのもあったと思うぜ」
サトシが横から言った。
「サトシ、あんた」
「おお、怖っ」
「嫉妬って?」
そんなこと初耳だった。
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