ユリが腕組みして言った。
本気で怒っているときの顔だった。
あたしは、その顔をされると弱い。
目が合わせられなくなった。
「ユキヒロさんがあんたと結婚した理由、知ってる?」
「え? そりゃ、あたしのこと好きだから…」
「んなわけないでしょ」
あたしは顔を上げた。
ユリと目が合って、また視線を逸らした。
「あんたのお父さん。国立大学の教授だよね? しかもユキヒロさんと同じ研究領域」
「そ、そうだけど」
「だから、よ」
「え? それだけ」
あたしは旦那とユリを交互に見ながら言った。
「それだけ、よ」
ユリが強調した。
「ってか、普通気づくよね?」
「うぇ?」
「あんたのそういうとこだと思うよ」
「な、なにが?」
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