あたしはそれを聞かなかったことにして、旦那が言う『向こう』とは逆方向へ足を踏み出した。
「止まりなさい」
慌てて立ち上がったらしい旦那が、あたしを引き留めようと腰をつかんだ。
「ヘンタイ! やめて!」
そう言ったあたしに気圧されたのか、旦那が手を離した。
「変態とはなんだ。僕は君の夫だぞ!」
旦那が大声を出しながら、またあたしをつかんでこようとする。
「やめて」
そう言いながら足を動かしたけど、捕まった。
羽交い絞めされるような格好になりながら、あたしは抵抗した。
「こらっ、暴れるのはやめなさい」
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