「うん、僕が悪かったよ。悪かったと思ってる」
「全然、そんなこと思ってないでしょ?」
「いいや、心底思っているよ」
「嘘。あなたは世間体しか考えていないに決まってる。あたしは知ってる」
「そんなことはないよ。わかるよね?」
「わからない。全っ然わからない」
「そんな駄々っ子みたいなこと言わずに。ほら、こっちにおいで」
「 来ないで」
あたしはそう言って、身を翻した。
湖の中心へ、『向こう』へ行こうとした。
「馬鹿なことはよしなさい」
旦那の声が聞こえた。
あたしは立ち止まらなかった。
足に絡みついてくる柔らかい土が、あたしを邪魔する。
クロックスのサンダルが脱げそうになった。
と、背後から足音が聞こえた。
水の中を急いで走る音。
「止まりなさい」
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