てっきり表か裏の駐車場にいると思っていたのに、サトシはわざわざ屋上に車を停めていたのだ。
「思い込みだろ、そんなの」
サトシがあくびをしながら言った。
あたしはサトシの後を追って店内に入った。
平日とはいえ、さすがにイオンは買い物客は多かった。
小さな子どもを連れている母親よりも、高齢者が目立つ。
それに加えて、サトシのように仕事をさぼっているらしいサラリーマンも少なからずいた。
「ってか、空いてるとこあったし、一階の駐車場」
あたしはサトシに追いつきながら言った。
「屋上の方が太陽に近いだろ?」
サトシが微笑みながら言った。
「意味わからないし。バッカじゃないの」
「相変わらず、文句や悪口がポンポン出てくるなあ」
「は? そんなことないし」
「それで、よく結婚できたもんだ。あんなできた旦那さんと」
「余計なお世話。ってか、うちの旦那と話したことないでしょ、あんた」
あたしは悪態をつきながらも、懐かしさを感じていた。
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