二人の気持ちがどんどん盛り上がっていくのがはっきり分かった。
「◯◯と一つになる喜びは言葉では表せない」「私もです」
「何故◯◯が俺のものではないのか、思い出す度に苦しくなる」「出逢う順序が違えば良かったですね」
逢う日の約束が無かったり時折合間が空くので、やはり電話での交換がメインだったと思う。
だけど、LINEという形の残る連絡手段で決して行うべきではないやり取りの痕跡まで残っていた。
「◯◯の中でなら何度でも果てる自信がある」
「壊れちゃいます」「壊して僕のものにしたい」
「ありがとう。気持ちは同じです」
「昨日◯◯が夢に出てきた。恥ずかしいけど興奮しちゃったよ(笑)」
「私なんか毎日貴方の夢を見ます」
「俺と旦那さん、どっちがいい?」「聞かなくても知ってるくせに」
「はっきり言って欲しい」「◯◯さんです」
「今すぐ抱きたい」「抱かれたい、かも(笑)」
「夜が明けて、日が沈み、また夜が明けるまでずっと君の中にいたい」
「本当にあの時は死ぬかと思いました」「嫌だった?」「いいえ・・・幸せでした(笑)」
思い起こしても二人が逢瀬に興じているこの期間、僕達二人は何の問題もなく上手くいっていた。
行為自体も週に何度もあった。だから信じられなかった。鈍感と言われればそれまでだけど。
そして僕の存在が折に触れて多くなる二人のLINE。
「ごめんなさい・・・としか言えません」
僕をライバル視する彼の言葉が多くなり、あれによほど自信があるのか、
夜の生活自体の生々しい比較も頻繁に行われていた。
そして嫁ははっきりと、何度も僕よりも彼との行為の方が良いと答えていた。
俺とではいった事がないとまでも。
そして彼は一線を越えようとしていた。
「今からの◯◯の人生を俺にくれないか?」「ありがとう・・・でもそれは出来ません」
その後暫くやり取りが途絶え、そして一週間後。
「俺と一緒になって欲しい」「ありがとうございます」
その一行のみ。
電話でのやり取りは分からないが、その後位の話。
「旦那さんに話すのはいつ?俺も一緒に頭を下げるよ
「もう少し待ってください。もう少しだけ」
「信じていいの?」
「勿論です。私も早く貴方の苗字になりたい」