その視線の先に、湖中から戻って来た旦那がいた。
「ああ、何とか、ね」
あたしはその会話が引っかかった。
旦那とユリは、旧知の仲だった。
それはあたしも知っていた。
なぜって、あたしが旦那と知り合ったのは、ユリの紹介だったからだ。
当時、大学生だったユリは隣りの大学に勤めていた旦那と知り合い、二対二の食事会を開いた。
そこに呼ばれたのが、あたし、旦那、それから旦那の友達の医者だった。
そのとき、医者を狙っていたユリからすれば、あたしと旦那はおまけみたいなものだった。
しかも、容姿の点で圧倒的に劣るあたしは、ユリからすれば、邪魔されることなくターゲットに集中できる、いわゆる安パイだった。
あたしはそれをわかっていて、そういう食事会に何度か参加していた。
▼次ページに続く▼












