サトシの車の後部が映っていた。
次の写真。
同じ構図だけど、背景が変わっている。
そして、次。
また車の後部。
バイパスの降り口が映っていた。
まさか、と思った。
旦那が次の写真をめくった。
サトシの車が、あのホテルに入って行くところが映っていた。
「だから、何?」
あたしは、写真から旦那の顔に視線を移して言った。
「何ってことはないんじゃないか?」
旦那が手を止めた。
「こんなの見せてきて、何のつもり? 感じ悪くない?」
「感じ悪い? それはどういう意味だろう? 僕の語彙にないな」
「あたしは気分を害しているって言ってんのよ」
「そうか。なら、僕が謝るよ。」
旦那が頭を下げた。
「何なのよ」
「でも、次は君が謝る番だ。謝ることに意味があるとは思えないが」
あたしが言い終わる前に、旦那が写真をめくった。
ラブホテルの入り口から出てきた、あたしとサトシが映っていた。
正面やや右からの構図だった。
どうやって、こんなの。
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