「意味わかんないし」
「わからないことはないと思うんだ」
「いや、意味わかんないし。ほんと、意味わかんない。そんなこと言われる覚えない」
「本当に? 君は心の底からそう言い切れる?」
「は? なに、それ。質問? 尋問? 不愉快なんですけど。マジ不愉快」
「これを見ても?」
旦那が再び茶封筒に手を突っ込んだ。
透明なビニールに包まれた大量の写真が出てきた。
「これ、君だよね」
旦那がビニールから写真を取り出す。
あたしだった。
あたしとサトシが、オープンカフェでお茶しているところが映っていた。
「君だよね。君と知らない男」
「知らない男じゃない。これは」
旦那が眼鏡の奥で、目を細めた。
「誰なの? お友達?」
「高校のときの親友。同じグループだった」
「グループって? 部活みたいなもの?」
「グループはグループだよ! 仲良しのグループ。あたしとユリとトーコとユキとアサミと…」
「ああ、そういうことね。結婚式に来てた子たち」
「それに男子も。サトシと…」
▼次ページに続く▼